代表者あいさつ

 石垣島で畜産というと何と言っても石垣牛が有名で、島のあちこちに牛の牧場や牛舎を見かけます。海空牧場の放牧地も元々は牛の放牧地で、母牛を放牧でのびのびと育てながら、生まれてきた子牛を育てていました。
 父からその牧場を受け継いだ時点ですでに牛はいなくて何もない草地が目の間に広がってました。その時山羊の飼育を思いついたのです。広くて青々とした牧草地に白い山羊がのんびりと草を食む風景、それ私はを見たかったのです。
   しかし、私のイメージでは山羊は木の葉しか食べないと思っていたので、牛と同じ草を食べてくれるだろうかという懸念もあり、10メートル四方の囲いをつくり様子を見ました。2日ほどは牧場の草には見向きもしませんでしたが、徐々に食べるようになったので、山羊牧場を始めることにしました。
 牧場は1メートル余の石垣でしっかりと囲まれていたので、安心して、放牧を始めました。しかし、石囲いは牛にとっては超えることのできない垣でしたが、岩をも駆け登る山羊たちには格好の遊び場となり、中には石垣を飛び越えて隣の畑や草地に飛び降りて道草を食む山羊が続出していました。
 その頃、山羊牧場での飼養形態を学びたいとおもい、沖縄本島各地の山羊飼養農家を訪ね歩きましたが、殆ど小屋籠め飼育でした。ある農家が次のように語りました。  「沖縄は狭いうえに多くを米軍に取られ、住宅地も狭く密集している。牛の牧場すら本部半島辺りに少しあるくらいだ。山羊を牧場で飼うというのは考えられない。八重山だからできる話だ。自分で工夫して頑張れ」と。
   結局、参考事例は見つかりませんでした。山羊牧場での山羊の脱走対策は、様々な試行錯誤をかさね、金属製のワイヤメッシュを使って、牧場全体の囲いと放牧地の柵囲いを数年かけて完成させました。数年に及ぶ四苦八苦の試行錯誤のくりかえしでした。現在飼育頭数は70頭あたりを前後しながら、飼育頭数は確実に増加して来ています。

    牧場は幾つかの大きなエリアに分けられています。一つは種山羊とメス山羊から構成されるエリア。次は妊娠して臨月に近づいた山羊を囲う臨月出産コーナーです。ここでメス山羊には山羊の赤ちゃんのために栄養価をしっかり計算して飼料をしっかり与えます。そして出産に備えます。山羊の出産は基本的には自然分娩です。私たちが力を貸すことは殆どありません。

  出産が完了すると、母山羊と子山羊は次の保育コーナーに移動します。海空牧場では、今のところ山羊ミルクを絞ることはやってませんので、子山羊はそこで3ヶ月目までは母山羊と一緒に過ごします。3ヶ月を過ぎると母山羊は種山羊のいるコーナーへ移動します。メスの子山羊はそのまま5ヶ月あたりまで過ごし、その後に頃合いを見て種山羊のいるコーナーに移動することになります。オスの子山羊は3ヶ月を過ぎたあたりから、肉山羊候補生として、候補生コーナーに移動します。候補生コーナーでは、放牧地で青草を食み、飼育用の飼料なども与えられます。その後、オス山羊は、肥育コーナーにうつり、そこで肥育山羊として、乾燥草や特製の飼料などで丁寧に肥育されます。7ヶ月辺りには、去勢が行われます。そしてしっかりと肥育されて、頃合いを見て石垣山羊として出荷されていきます。
 
 

   ちなみに、海空牧場では令和3年1月から山羊汁やヤギ刺身を販売することとし、加工場を設置し段取りを進め、4月から「山羊スープ」、「山羊刺し」を販売しました。沖縄県の男性からは、スープは美味いけれども、パンチが足りないとの意見も多いことから、ご要望に応じて、男性好みのパンチの効いた美味しい山羊汁を商品化しました。これこそ伝統の味だとして喜ばれています。高タンパク、低カロリーで美味い山羊汁、山羊スープ、併せて山羊刺しをたっぷりとご賞味頂きたいと思います。

株式会社 海空牧場
代表取締役 玉津博克